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犬、猫にも腸活ブーム。腸内フローラの重要性を知って腸から健康に!

獣医師
山口あすか
[記事公開日]  [最終更新日]
人の腸内環境の重要性は100年前から研究され、すでに周知されている所ですが、近年では犬や猫でもその働きがとても大切であるとの見識が広がっています。

腸内環境は犬猫にどんな影響力を持っているのか?
腸内フローラの検査ってできるの?
日々の生活で出来る腸活は?

この記事では、上記について解りやすく説明していきます。
また腸内フローラ、腸内マイクロバイオーム、腸活、プレバイオティクス、プロバイオティクス、シンバイオティクスなど、よく耳に入ってくるけれども、具体的にどんなものか分かりにくいワードについても解説します。
[ 目次 ]
犬、猫にも腸活ブーム。腸内フローラの重要性を知って腸から健康に!
人間では写真のような、オートミールやフルーツがお腹の調子を整えることは分かっています。
では犬や猫は何を食べれば腸活になるのでしょうか?

まずはお腹の調子に大切な『腸内フローラ』とは何なのかを知りましょう!

犬猫の腸内フローラとは

近年話題になっている腸内フローラとは何なのでしょうか?
フローラとはお花畑のことです。
また日本語では腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)と表記されます。
この『叢』は『くさむら』という意味の漢字です。

様々な細菌がびっしりと腸管の内側を覆っている様子を『花畑』あるいは『くさむら』と表現しているのです。
また専門的には腸内マイクロバイオームという言葉も使います。

つまり腸管内の沢山の種類の細菌をまとめて、腸内フローラと呼んでいます。

犬、猫にも腸活ブーム。腸内フローラの重要性を知って腸から健康に!

犬猫の腸内フローラの重要性

消化管内の細菌密度は、猫が最も多く、次に犬、そして人という順位になっています。
つまり犬や猫の方が、腸内フローラが多いのです。

腸内フローラは、食物繊維を分解し短鎖脂肪酸という腸の細胞の栄養源を作りだしています。
また、腸内で悪い細菌が増えるのを抑えているのも腸内フローラです。
粘膜バリアを強くし、腸管内の免疫機能を調節する働きを持っています。

難しい単語が並んでしまいましたが、つまり腸管は腸内フローラで守られているのですね!

腸活によく出てくるキーワード

長いカタカナの名前や馴染みのない漢字が並びがちなのが腸活の説明です。
よく目にするキーワードを解りやすく解説します。

【プロバイオティクス】
腸内に入って、良い働きをする細菌をプロバイオティクスと言います。
もっとも有名なのは乳酸菌ですね。

生きた菌を飲んでも、安全で悪いことをしない細菌というのが大切なところです。
だいたいは生きたまま飲んでも、胃酸で殺菌されてしまうので、胃酸に強い菌や、カプセルで腸まで届ける方法が開発されています。

犬や猫にもプロバイオティクスは大切ですが、一回飲んでもいつの間にか腸内から減っていなくなってしまいます。
強い菌ではないのです。
そのため、定期的に飲んでお腹に届けてあげることが大切です。

【プレバイオティクス】
これは、腸内の良い細菌(プロバイオティクス)の餌になるような成分です。
具体的には、オリゴ糖や一部の食物繊維がプレバイオティクスとして、腸内の良い細菌を増やす働きをもっています。

プロバイオティクスだけでは、腸内で長く存在できず、増える力も弱いので、プレバイオティクスを乳酸菌などの餌として与えるわけです。
すると更に腸内の良い細菌が元気に増えて働いてくれる、という図式ですね!

【シンバイオティクス】
プロ、プレときて、最期にシンバイオティクスというキーワードです。
シンバイオティクスとは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせて体に入れることです。

良い細菌と、その餌を一緒にとると、より一層の効果アップ!
なのでシンバイオティクスが本当の腸活だとも言われています。

分かりやすく表記すると
プロバイオティクス+プレバイオティクス=シンバイオティクス
ですね。

犬猫の腸内フローラは、免疫系に作用している

慢性的な下痢や軟便を繰り返している犬猫の腸内フローラは、多様性(細菌の種類やばらつき)が少なくなっているという報告があります。

プロバイオティクス(有益な腸内細菌)は、免疫を調整しているリンパ球の働きを助ける物質を作り出すことが分かっています。
そのため、プロバイオティクスには過剰な免疫反応を抑える効果が期待されています。

炎症性の腸炎や、アレルギー関連の皮膚炎などがある場合、劇的な効果は見込めないまでも、治療薬の軽減は期待できるということです。
アトピー性の皮膚炎において、腸内の免疫バランスが崩れている場合には、プロバイオティクスによって高い効果が出る症例もいます。

犬や猫の腸内フローラの検査とは?

細菌では人だけでなく、動物の腸内フローラの検査もできるようになってきました。
ある保険会社では、保険の付帯として腸内細菌の検査ができるようになっており、とても好評なようです。

各検査会社に、糞便を送付するだけなので、犬や猫にも負担がかからないのが一番良い所でしょう!
ただ、診断的な意義はあまり根拠が集まっていないのが現状です。

『肥満菌が多いと言われました!』など、結果に大きく悩まれる飼い主さまも多く、獣医師としては心配です。
シンバイオティクスをしてみて改善する場合も多いですが、その動物の個性というものもあるので、何か症状が無ければ、腸内フローラの結果が改善しないとしても悩み過ぎないようにしましょう!

犬や猫の腸活に良いこととは

よく、犬に納豆をたべさせても良いですか?猫にヨーグルトは良いですか?というご質問をもらいます。
結論から言えば、腎臓病や肝臓病、膵炎、アレルギーなどの問題が無ければ、発酵食品を食べても大丈夫です。
ただ、毎日のように納豆、ヨーグルトを食べるのでは、カロリー過多になってしまう可能性があります。

できれば菌の数がしっかりと入っているサプリメントで腸内バイオームを増やす方が良いでしょう。
難しいのは食物繊維で、消化に良くて、プレバイオティクスになるものを選ばなくてはなりません。
バナナはオリゴ糖も繊維も良質ですが、やはりカロリー過多になってしまいます。


そのため、腸内細菌を増やす効果のある食物繊維が入ったペットフードが近年には多く発売されています。
食物繊維はダイエットにも効果的なので、肥満傾向の動物にもお勧めです。

まとめ

人よりも腸内細菌が多くいるのが犬と猫です。
その腸内フローラの働きは、人よりも大切かもしれません。

毎日、サプリメントでプロバイオティクスを補い、プレバイオティクスとして良質の食物繊維が入ったペットフードを選択することで、シンバイオティクスになるようにしましょう。!

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